
東京農工大の生協が大学オリジナルのクラッチバッグを制作したときの話しです。
学生からデザインを募り、投票で最優秀作品を商品化することに。生協が想定していたのは、他大と同様のプレーンな素地に大学名やロゴが入ったデザイン。ところが、圧倒的多数で選ばれたのは、表裏の区別がなく、制作費も高くつく「牛柄」。生協内部では2位の“常識的”なイメージを採用するべきだという声が出て喧々諤々の議論に発展します。
結局、牛柄は200枚だけ、次点の普通柄を8色のバリエーション展開するという折衷案に落ち着きます。結果はしかし…。個性的な牛柄はわずか3日で完売し、5年後の現在も猛烈な勢いで売れ続けているそうです。一緒に出した8色の“売れ筋”が束になっても10倍以上の差があるとか。
売れるモノは、売る側ではなく、買う側がきめるもの。当たり前なことですが、つい忘れてしまうことを思い出させてくれるエピソードです。ちなみに、当時バッグ制作プロジェクトを担当したのが、あの「生協の白石さん」だそうです。